2006年01月15日
私にとっての書
深い霧に閉ざされた想像も出来ない遠い所に表現したい何かがある。
手探りで右も左も分からない中を進んで行く。
わずかに太陽の輪郭が空の一廓に見える。これを古典と呼ぶ。
たったこれだけの手がかりさえ見失うことがある。
そうなったら、じっと時の来るのを待つしかない。
霧の晴れるのを待つ。
でも、やっぱりいつまでも晴れる事は無く、わずかに太陽が見え始めたらゆっくり臆病に歩き始める。
気の遠くなるような時間歩き続けて、やっと目的地らしき場所に辿り着く。しかし、確信があるわけではなく、感覚だけを頼りにそこだと決める。
確信がないから、しょうがないのでとりあえず墨を紙に置く。
情報がないから全神経を開放する。
恐る恐る半信半疑で書き終える。
書いた物の周りをぐるりと歩き回り、少しずつ離れてゆき、離れた所でまた歩き回る。
うっすら見える太陽を頼りに、次の目的地を決める。
まだまだ行かなくてはならない場所が待っている。