2006年01月25日

書道家葛空の詩

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「異臭」

妙だが、
自分に肩を叩かれた。
振り返ると、
それは笑顔で立っている。
お互い顔を見合わせて、
挨拶を交わす。

二人でニコニコしながら・・・、
長い長い時間が過ぎてゆく。
私は彼が大嫌いだ。
彼は鮫のような目つきだから
心が見えない、
が、態度だけは親しそうにしている。
体からアンモニアのにおいがする、
違う、
周りの空気から臭って来る、
まずい、
こいつは何かたくらんでいる。

彼が小声でつぶやく。

おまえそんなに自分が嫌いか。
目を背けないで
俺をもっともっと見ろ。
気持ち悪い所がまだいっぱいあるぞ。

近づいて来て、
小声が耳元で言う。

へへへ、
やっと見つけたぞ。
おまえの弱点を。
・・・・・・・・・・・・・・・・。

声が小さ過ぎて言葉なのか
息なのか
区別が付かない。

そういえばこいつ、
物心が付いた頃には
もういたぞ。
俺がこいつに似てきたと言うことか。

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